コラム AI活用・実装支援(AX)

【用語解説】ローカルAIとは何か

公開日 2026.07.29 執筆:株式会社Nouma
【用語解説】ローカルAIとは何か

TL;DR / この記事の要点

LLM、バックエンドLLM、ローカルAI、API——AIに関する用語は増え続けていますが、全体像を理解するのは簡単ではありません。本記事では、これらの基本概念を会社組織にたとえて整理し、「誰が何をしているのか」という視点からわかりやすく解説します。AIの仕組みを構造的に理解したい方に向けた入門記事です。

AIの基本用語は「会社組織」で考えると理解しやすい

AIの話をしていると、LLM、バックエンドLLM、API、ローカルAI、クラウドAIなど、さまざまな言葉が出てきます。

どれも重要な言葉ですが、用語だけを追いかけると、かえって全体像が見えにくくなります。

AIを理解するうえで大切なのは、専門用語を暗記することではありません。まずは、「誰が何をしているのか」という役割で整理することです。

AIは、ひとつの大きな箱ではありません。むしろ、会社組織のように複数の役割が分かれて動いている仕組みです。

会社には、依頼を受け取る窓口があります。社内で連絡を回す仕組みがあります。そして、実際に考え、資料を作り、判断する担当者がいます。

AIも同じです。

AIの4要素を会社組織のアナロジーで示す図解。窓口担当=ChatGPT/Claude、社内連絡の仕組み=API、奥の担当者=LLM(バックエンド)、処理場所=クラウドAI/ローカルAIに対応。
  • 利用者が触る画面
  • 指示を受け取る窓口
  • 裏側で処理をする頭脳
  • それらをつなぐ仕組み

この構造で考えると、AIの基本用語はかなり理解しやすくなります。

LLMとは何か

言葉を理解し、言葉で返す「頭脳担当」

LLMとは、Large Language Modelの略です。日本語では「大規模言語モデル」と呼ばれます。

ただし、この言葉をそのまま覚える必要はありません。簡単に言えば、LLMとは、文章を読み、意味を捉え、言葉で返すAIの頭脳です。

会社組織でたとえるなら、LLMは実際に考えて答えを出す担当者です。

たとえば、次のような仕事を担います。

  • 文章を要約する
  • 質問に答える
  • メールの返信案を作る
  • 企画の壁打ちをする
  • コードを修正する

つまり、LLMはAIの中で実際に頭を使っている部分だと考えるとわかりやすいです。

ChatGPTやClaudeは何か

利用者→ChatGPT/Claude(窓口)→API→バックエンドLLM→回答という情報の流れを図解。LLMの処理場所によりクラウドAIとローカルAIに分かれる構造を合わせて示す。

利用者が最初に触れる「窓口」

ここで混同しやすいのが、ChatGPTやClaudeと、LLMそのものの違いです。

私たちは普段、ChatGPTやClaudeという名前でAIに触れています。しかし、それらは必ずしも「頭脳そのもの」を意味しているわけではありません。

会社でいえば、ChatGPTやClaudeは、利用者が最初に話しかける窓口に近い存在です。

利用者が画面に質問を入力すると、その内容が裏側のLLMに渡されます。そして、LLMが考えた回答が、画面を通じて利用者に返されます。

つまり、見えている画面と、裏側で実際に考えている頭脳は分けて考える必要があります。

この違いがわかると、AIサービスの構造が一気に見えやすくなります。

バックエンドLLMとは何か

表には出ないが、裏側で実際に処理している頭脳

バックエンドLLMとは、利用者から直接は見えない場所で、実際に処理をしているLLMのことです。

会社でいえば、お客様の前には出てこないものの、社内の奥で資料を作り、答えを準備している担当者です。

流れとしては、次のようになります。

  1. 利用者が画面で質問する
  2. 窓口が質問を受け取る
  3. 裏側のLLMが考える
  4. 回答が画面に返ってくる

このとき、実際に価値を生んでいるのがバックエンドLLMです。

見えているのは画面やサービス名ですが、裏側では別のLLMが動いている場合があります。だからこそ、AI活用では「どのサービスを使うか」だけでなく、裏側でどのLLMが動いているのかも重要になります。

APIとは何か

窓口と頭脳をつなぐ「連絡のルール」

AIの文脈でよく出てくるもうひとつの言葉が、APIです。

APIとは、システム同士が決まったルールでやり取りするための接続方法です。

会社組織でたとえるなら、APIは社内電話や決まった依頼書のようなものです。

毎回自由な言い方で依頼するよりも、決まった形式で伝えたほうが、正確に処理できます。AIの世界でも同じです。

APIは、AIそのものではありません。
画面やシステムと、裏側のLLMをつなぐための連絡ルールです。

たとえば、自社の業務システムからAIに質問を送り、その回答をシステム内に反映させる場合、APIを使って連携します。

つまりAPIは、AIを業務に組み込むうえで欠かせない接続部分です。

ローカルAIとは何か

外部に頼らず、自分のPCや社内環境で動くAI

ローカルAIとは、AIを外部サービスだけに頼らず、自分のPCや社内環境で動かす考え方です。

会社でいえば、仕事を外部委託するのではなく、社内の担当者が社内で処理する状態に近いでしょう。

クラウドAIの場合、質問やデータを外部サービスに送り、外部環境で処理された答えを受け取ります。

一方、ローカルAIでは、自分たちのPCや社内サーバーなど、管理下にある環境でAIを動かします。

つまりローカルAIとは、AIの頭脳が自社側で働いている状態です。

クラウドAIとローカルAIの違い

クラウドAIとローカルAIの使い分けを対比した図解。クラウドAIはすぐ使える・高性能・外部処理。ローカルAIは情報を外に出さない・社内管理・自社制御。目的と業務に応じて判断する。

外部委託か、社内対応か

クラウドAIとローカルAIの違いは、会社組織で考えるとわかりやすくなります。

クラウドAIは、外部の専門会社に仕事を依頼するような形です。高性能なモデルをすぐに使いやすく、導入のハードルも低い点が特徴です。

一方、ローカルAIは、社内の担当者が自社内で処理する形です。情報を外に出しにくく、社内ルールに合わせて管理しやすい点が特徴です。

クラウドAIが向いているのは、次のようなケースです。

  • すぐにAIを使い始めたい
  • 高性能なモデルを利用したい
  • 自前で環境を整えたくない
  • 初期設定を軽くしたい

ローカルAIが向いているのは、次のようなケースです。

  • 顧客情報や社内資料を外に出したくない
  • 社内で閉じた環境で運用したい
  • 自社の業務に合わせて制御したい
  • 機密性の高い情報を扱いたい

重要なのは、クラウドAIとローカルAIのどちらが優れているかではありません
目的や業務内容に応じて、どちらが適しているかを判断することです。

AI導入で重要なのは「ツール選び」ではなく「役割設計」

最近では、利用者が触る窓口は同じまま、裏側のLLMだけを切り替える構成も増えています。

会社でいえば、受付は同じでも、案件の内容に応じて担当者を変えるようなものです。

たとえば、AIでも次のような使い分けができます。

  • 軽い処理は軽量モデル
  • 難しい推論は高性能モデル
  • 機密情報はローカルAI
  • 外部連携はAPI経由で処理

この考え方が見えてくると、AI導入は単なるツール選びではなく、役割設計の話になります。

AI導入をツール選びでなく役割設計として捉える4つの判断軸の図解。①どの業務を任せるか②どの情報を外部に出すか③どの処理を社内で閉じるか④どのシステムと連携するか。

どの業務をAIに任せるのか。
どの情報を外部に出してよいのか。
どの処理は社内で閉じるべきなのか。
どのシステムと連携させるのか。

こうした整理を行うことで、AI活用はより実務に近づいていきます。

まとめ:AIを理解するとは、役割と処理場所を整理すること

AIの議論が難しく感じられるのは、画面の話、頭脳の話、処理場所の話が同時に語られやすいからです。

しかし、構造を分けて考えると、AIの基本はかなりシンプルです。

  • LLM: 実際に考える頭脳
  • バックエンドLLM: 裏側で処理している頭脳
  • ChatGPTやClaude: 利用者が触れる窓口
  • API: 窓口と頭脳をつなぐ連絡ルール
  • クラウドAI: 外部環境でAIを動かす形
  • ローカルAI: 自社や手元の環境でAIを動かす形

AIを理解するとは、新しい言葉を増やすことではありません。

どこが窓口で、どこが頭脳で、その頭脳がどこで働き、どうつながっているのかを整理することです。

この構造が見えれば、LLMやAPI、ローカルAIといった言葉は難しいものではなくなります。

企業にとって本当に重要なのは、流行語を追うことではありません。
自社の業務、情報管理、運用体制に合わせて、最適なAIの構造を選べるようになることです。

まずは自社の業務構造とAI導入の進め方を整理から始めてみる


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